データベーススペシャリスト令和6年秋期 午前Ⅱ 問2

問2

クライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち,適切でないものはどれか。
  • 機密性が高いデータに対する処理を特定のプロシージャ呼出しに限定することによって,セキュリティを向上させることができる。
  • システム全体に共通な処理をプロシージャとして格納しておくことによって,処理の標準化を行うことができる。
  • データベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって,処理性能(スループット)を向上させることができる。
  • 複数のSQL文から成る手続を1回の呼出しで実行できるので,クライアントとサーバ間の通信回数を減らすことができる。

分類

テクノロジ系 » データベース » データベース方式

正解

解説

ストアドプロシージャとは、データベースに対する一連の処理をまとめた手続きにして、データベース管理システムに保存したものです。

利用者は通常のSQLを発行する代わりに、データベース管理システム内の手続きの呼出しによって目的の処理を実行させることになります。1回の要求で複数のSQL文を実行させることができるのでネットワーク負荷の軽減に繋がったり、誰もがあらかじめ保存された定型処理を行うことになるため標準化ができるなどのメリットがあります。

この設問は適切でないものを問うているため、選択肢のうち内容が誤っている記述が正解肢となります。
  • 正しい。ストアドプロシージャ呼出しに限定すれば、ユーザーはあらかじめ許可された操作しか行えなくなります。ユーザーが任意のSQLを実行してデータにアクセスすることを防止できるので、機密性の高いデータの保護につながります。
  • 正しい。ストアドプロシージャは一度定義すれば再利用が可能で、システム内で同様の処理を行う際に一貫性を保つことができます。これにより、処理の標準化が図られ、保守性や信頼性が向上します。
  • 誤った記述なので正解です。細かな単位ではなく、適切な大きさで処理をまとめたほうが通信のオーバーヘッドが減って処理性能は向上します。データベースのアクセスを細かい単位でプロシージャ化すると、個々のプロシージャが頻繁に呼び出されることになり、サーバとクライアント間の通信回数が増え、結果的にスループットが低下する可能性が高いです。
  • 正しい。ストアドプロシージャを使用することで、複数のSQL文を1回の呼出しで実行可能となるため、サーバとクライアント間の通信を抑えることができます。
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