平成26年春期試験問題 午前Ⅰ 問18

システム開発のプロジェクトにおいて,EVMを活用したパフォーマンス管理をしている。開発途中のある時点でCV(コスト差異)の値が正,SV(スケジュール差異)の値が負であるとき,プロジェクトはどのような状況か。

  • 開発コストが超過し,さらに進捗も遅れているので,双方について改善するための対策が必要である。
  • 開発コストと進捗がともに良好なので,今のパフォーマンスを維持すればよい。
  • 開発コストは問題ないが,進捗に遅れが出ているので,遅れを改善するための対策が必要である。
  • 進捗は問題ないが,開発コストが超過しているので,コスト効率を改善するための対策が必要である。
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分野:マネジメント系
中分類:プロジェクトマネジメント
小分類:プロジェクトの時間
解説
EVM(Earned Value Management)は、プロジェクトにおける作業を金銭の価値に置き換えて定量的に実績管理をする進捗管理手法です。

EVMではPV,EV,ACの3つの指標を用いてプロジェクトの進捗を管理するのが特徴です。
PV(Planned Value)
プロジェクト開始当初、現時点までに計画されていた作業に対する予算
EV(Earned Value)
現時点までに完了した作業に割り当てられていた予算
AC(Actual Cost)
現時点までに完了した作業に対して実際に投入した総コスト
各指標を比較して、EV-AC(=CV:コスト差異)がマイナス値であれば完了済み作業に対する予算よりも投入コストが多いのでコスト超過、EV-PV(=SV:スケジュール差異)がマイナス値であれば完了済み作業に対する予算が当初の予算よりも少ないので進捗遅れ、と判断することができます。

設問のプロジェクトでは、
  • CV(コスト差異)=正
  • SV(スケジュール差異)=負
なので、「コストは予算内に収まっていて問題ないが、進捗に遅れが出ている」と分析できます。したがって「ウ」が適切な記述です。

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